鳥羽地区の海苔について
伊勢湾では、木曽三川の恩恵を受けて良質なアサリ、しじみ、カキなどの貝類や海苔が育ちます。その木曽三川の流れがたどり着き、海水と淡水が混じり合う鳥羽地区(菅島、答志島)でも海苔養殖が盛んです。
水深が深いため、竹(支柱)を挿して網を張る方法ではなく、重りを海底に落とし、浮を使って網を水面に浮かべて張る方法で海苔養殖を行います。
また、波が立ちやすい漁場で、海苔の葉質が硬くなりやすいことから、摘み取った海苔を一晩以上冷凍させて解凍してから海苔を作ります。
そうすることで海苔の細胞壁が壊れて葉質が柔らかくなります。その一方で、塩分が少なかったり、香りが多少少なかったりという特徴も同時に生まれますが、ここで採れた一番摘みには海苔独特の甘さを感じます。
共同加工施設が建った後も、引き続き個人で海苔加工を頑張っている方もみえて、そういう方が作る海苔はその特徴が顕著に表れています。アンバランスな部分が魅力に感じます。
すべての地区で共同加工施設も導入された三重県で一番大きな漁場です。